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仕事と現実

2026/09/24

ベイカレントはなぜ「炎上」「胡散臭い」と言われるのか|元社員が、言われる理由の構造を説明する

田中麻衣子

本記事には広告(プロモーション)が含まれます。

この記事は、ベイカレント・コンサルティングに2019年から2023年まで在籍した田中麻衣子が書いています。アナリストからコンサルタントまでを経験し、IT・流通領域の案件を担当していました。

最初に、この記事の立ち位置をはっきりさせておきます。

個別の出来事について、真偽を断定することはしません。 私が在籍中に直接見ていないことを「こうだった」と書くのは誠実ではないからです。

そのかわり、「なぜこの会社は、こういう言われ方をしやすいのか」を、中から見た仕組みで説明します。

在籍していて思ったのは、言われていることの多くは、会社の性格そのものより、会社の構造から出てきているということでした。構造が分かれば、自分に合うかどうかも判断できます。

ネットで目にする5つの言われ方

検索して出てくるものを整理すると、だいたいこの5つに集約されます。

言われ方

何を指しているか

「パワポしか作っていない」

提案はするが実行しない、という批判

「胡散臭い」

急成長と高年収への不信感

「負け組」「いじられる」

他ファームとの比較のなかでの扱い

「誰でも入れる」

採用規模の大きさへの疑い

「評判が悪い」

上記が混ざった総称

順に、中から見たらどうだったかを書きます。

①「パワポしか作っていない」

これは半分当たっていて、半分は構造の話です。

ベイカレントの案件では、提案する担当と、実行する担当が分かれていることがあります。 私が入っていた案件でも、構想と計画までを担当して、実装はクライアント側やベンダーが進める、という形が実際にありました。

外から見ると「資料を作って終わっている」ように見えます。 そして若手のうちは、実際に手を動かしている時間の多くが資料作成です。

ただ、これはベイカレントに限った話ではありません。コンサルという業態が、そもそも「決められるようにする」ことを売っているからです。実装まで一貫して持つファームもありますが、その場合は実装フェーズが長くなるというトレードオフがあります。

→ ベイカレントは本当に「やばい」のか

問題になるのは、そこを理解せずに入った場合です。 「事業を動かしたい」と思って入ると、自分が作った資料の先で何が起きたかを見届けられないことに、かなり早い段階で気づきます。

これは能力の問題ではなく、期待値の問題です。入る前に確認できることなので、確認しておいたほうがいいというだけの話です。

②「胡散臭い」

この言われ方の背景には、急成長と高年収があります。

平均年収が高いこと自体は公開情報です。ただ、「なぜそんなに高いのか」の説明が外から見えにくい。 見えないものは、疑われます。

中から見ると、水準が高い理由はいくつかの構造が重なっています。社員構成、昇格したときの上がり方、そして評価の仕組みです。

魔法のような話ではありません。 構造を分解すれば、ちゃんと説明がつきます。

→ ベイカレントの年収はなぜ1,350万円なのか

もう一つ、疑われやすい理由があります。社名が業務内容を説明していないことです。業界特化でも領域特化でもないので、「何をしている会社なのか」が名前から分からない。これは総合系・独立系のファーム全般に言えることですが、知名度が上がるほど、この違和感は目立ちます。

③「負け組」「いじられる」

これは他ファームとの比較のなかで出てくる言われ方です。

コンサル業界には、ゆるやかな序列意識があります。戦略系が上、総合系が中、という語られ方を、業界の内外でよく目にします。

在籍していて、実際に何か言われたことはありません。 ただ、こういう空気があること自体は知っていました。

正直に書くと、この序列で自分の価値が決まると感じる人には、しんどい環境だと思います。 一方で、案件の中身で判断する人にとっては、ほとんど意味のない話です。

どちらのタイプかは、入る前に自分で分かるはずです。 他人の評価が気になるなら、それは無視すべき感情ではなく、判断材料として扱ったほうがいい。

他社との実際の違いは、両社の元社員で突き合わせて書きました。

→ ベイカレントとアクセンチュア、どっちがいいのか

④「誰でも入れる」

採用規模が大きいことは事実です。 そして採用が多い会社は、必ずこう言われます。

ただ、採用が多いことと、入ったあと続くことは別の話です。

ベイカレントにはワンプール制という仕組みがあります。部署に固定配属されるのではなく、案件ごとにアサインが決まる。これは「誰でも入れる」と言われる理由でもあり、入ったあとに差が出る理由でもあります。

自分から動かないと、声がかかりにくい。入社の難易度より、入ったあとの動き方のほうが効きます。

早期に辞めていく人がいるのは、多くの場合この仕組みとの相性です。「クビになる」という言われ方も、実態はここに由来しています。

→ ベイカレントで「クビ」と言われる理由

⑤「評判が悪い」

口コミサイトを読むと、評価が極端に割れていることに気づくと思います。

これにも構造的な理由があります。ワンプール制では、同じ会社にいても体験がまったく違うからです。

  • 良い案件に入り、裁量を持てた人 → 高評価

  • 声がかかりにくい時期が続いた人 → 低評価

同じ会社の話とは思えないほど割れるのは、そのためです。 配属固定の会社より、体験のばらつきが大きくなります。

だから、口コミの平均を見ても判断材料になりません。 見るべきなのは「どういう状況の人が、何を良い/悪いと言っているか」です。

→ ベイカレントの評判

在籍していて、実際に困ったこと

構造の説明ばかりでは公平でないので、自分が困ったことも書きます。

案件の間の期間に、落ち着かない時期がありました。

次のアサインが決まるまでの期間は、人によって長さが違います。その間、何をすべきかが明確に決まっているわけではありません。放っておかれるわけではないのですが、自分で動く必要はあります。

ここは、入る前にいちばん想像しにくい部分だと思います。「待っていれば仕事が来る」と思っていると、この期間がストレスになります。

もう一つ。領域が案件ごとに変わるので、専門性が積み上がっている実感を持ちにくい時期がありました。幅は確実に広がるのですが、「自分の専門は何か」と聞かれると答えにくい。

どちらも、事前に知っていれば対処できる話です。 知らずに入ると、不満として蓄積します。

それでも人が集まる理由

批判的な話が多くなったので、続いている理由も書きます。

幅が広がるスピードは、他にあまりない環境だと思います。

私は4年でIT・流通の複数領域を経験しました。部署固定の会社にいたら、おそらく1領域で終わっていたはずです。「知らない業界に短期間で追いつく」訓練を、何度も繰り返せる。 これは外に出てから効きました。

そして、手を挙げれば通りやすい環境でもありました。ワンプール制は、待っている人には不利ですが、取りに行く人には有利に働きます。

「誰でも入れる」と言われる会社が、入ったあとに大きな差が付くのは、このためです。

入る前に確認すべき3つ

言われ方の真偽より、自分に関係するのはこの3つだと思います。

① 提案までか、実行までか

自分が入る可能性のある案件が、どのフェーズを担当するのか。面接で必ず聞いてください。 ここが期待とずれると、いちばん早く不満になります。

② アサインはどう決まるのか

誰がいつ決めるのか、希望はどの程度通るのか。「自分から動く必要がある」と言われたら、それは事実です。

③ 案件と案件の間に何をするのか

これを聞く人はあまりいませんが、入社後の体感に最も影響します。 期間の目安と、その間の過ごし方を確認しておいてください。

転職を具体的に検討する段階なら、選考の流れも含めてこちらにまとめています。

→ ベイカレントへの転職

よくある質問

Q. 炎上したことがあるのは事実ですか

個別の出来事について、私は断定できる立場にありません。 在籍中に社内で大きな動揺があった記憶はありませんが、それは「なかった」ことの証明にはなりません。この記事で書いているのは、そういう言われ方が生まれる構造についてです。

Q. 「パワポだけ」は本当ですか

案件によります。 提案までで区切られる案件はありますし、実装まで関わる案件もあります。一律ではないというのが正確なところです。

Q. 入社を迷っています。やめたほうがいいですか

言われ方で決めないほうがいいと思います。 上の3つを面接で確認して、自分の期待とずれていないかで判断してください。合う人には非常に良い環境で、合わない人には早い段階でつらくなる。極端に分かれるタイプの会社です。

Q. 他社と比べて、特別に評判が悪いのですか

規模の大きい会社は、どこも同じ比率で批判されます。 分母が大きいぶん、目にする回数が増えるという面はあります。ただし、体験のばらつきが大きい仕組みを持っている点は、他社より批判が割れやすい理由になっていると思います。

まとめ

ベイカレントが「炎上」「胡散臭い」と言われる理由を整理します。

  1. 「パワポだけ」は、提案と実行が分かれる案件構造から来ている。 一律ではない

  2. 「胡散臭い」は、年収の高さの理由が外から見えにくいことが背景にある

  3. 「負け組」は業界の序列意識の話。 気になるかどうかは自分の性格次第

  4. 「誰でも入れる」は採用規模の話。 入ったあとの差のほうが大きい

  5. 評判が割れるのは、ワンプール制で体験のばらつきが大きいから

言われていることの多くには、構造的な理由があります。 悪意でも誤解でもなく、そういう仕組みだからそう見える、というだけのことが多い。

そして構造の話である以上、自分に合うかどうかは、自分の条件で判断できます。 他人の評価を集めるより、上に書いた3つを面接で聞いたほうが、ずっと確かな判断材料になります。

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