結論から書きます。第二新卒はコンサル転職で不利ではありません。むしろ有利に働く面があります。
この記事は2人で書いています。
山口翔太:アクセンチュアに2017年から2021年まで在籍。アナリストからマネージャーまで。在籍中は中途入社者を受け入れる側にいました
田中麻衣子:ベイカレント・コンサルティングに2019年から2023年まで在籍。新卒で入って、数年で辞めていく同期を見てきた側です
ただし、第二新卒だけが必ず聞かれる質問があります。そこを準備できているかどうかで結果が分かれます。
そもそも、中途は新卒より入りやすい
意外に思われるかもしれませんが、中途採用は新卒より門が広いというのが受け入れ側にいた実感です。
理由は単純で、新卒はポテンシャルしか見られないのに対し、中途は前職の経験が判断材料になるからです。判断材料が多いほうが、受け入れる側としては決めやすい。
そして実務上、中途で入った人は前職と同じ業界の案件にアサインされることが多いです。製造業から来た人は製造業のクライアントへ、金融から来た人は金融へ。前職の業界知識が、初日から使えます。(山口)
つまり、「コンサル未経験」はハンデですが、「その業界を知っている」はそのまま武器になります。
落ちる人の傾向はアクセンチュア中途は厳しいのかに整理しました。多くは書類段階で落ちています。
第二新卒が有利な3つの理由
① 年収のハードルが低い
これは身も蓋もない話ですが、実務的には大きい要素です。
コンサルファームの年収は等級・役職で決まります。前職の年収が高い人ほど、提示できる等級が上がり、求められる水準も上がります。
第二新卒はまだ年収が高くないので、下の等級から入れます。 受け入れ側から見ると「この等級で、この経歴なら妥当」という判断がしやすい。通しやすいんです。
② 前職の型がまだ固まっていない
3〜4年目以降になると、前職のやり方が身体に染み込みます。それが強みになることもあれば、邪魔になることもある。
コンサルには独特の進め方があります。論点を分解する、仮説を立てる、資料の粒度を揃える、関係者に根回しする。第二新卒はここを素直に吸収できます。
受け入れ側から見ると、「教えたことがそのまま入る」人は扱いやすい。 これは正直な感想です。(山口)
③ 業界知識が「1つある」状態
1〜3年でも、その業界の業務は見ています。「何も知らない」ではなく「1つは知っている」状態です。
そして前述のとおり、アサインは前職の業界に寄ることが多い。入社後の立ち上がりが速くなります。
ただし、必ず聞かれる質問があります
「なぜ短期で辞めるのか」です。これは第二新卒だけが必ず聞かれます。
受け入れ側が知りたいのは、「うちでもまた短期で辞めるのではないか」という一点です。育成コストをかけた直後に抜けられるのが、いちばん困るからです。
答え方で、結果が変わります
ダメな答え方
前職の業務が単調で、成長が感じられませんでした。より裁量の大きい環境で挑戦したいと考えています。
これは「環境のせいにしている」と受け取られます。 そして「うちでも同じことを言うのでは」と思われる。
通る答え方
前職で〇〇業界の△△という業務を担当する中で、現場の課題は見えるのに、それを変える立場にいないもどかしさがありました。提案するだけでなく実行まで関わりたいと考えたときに、その役割はコンサルだと判断しました。
違いは2つです。
具体的な経験が起点になっている(環境批判ではない)
辞める理由と入る理由が同じ方向を向いている
田中の視点:辞めた同期がどこに行ったか
ベイカレントでも、新卒で入って早い段階で辞めていく人は一定数いました。
行き先で多かったのは同業他社です。そして辞めた理由を聞くと、「合わなかった」ではなく「次にやりたいことが見つかった」と話す人のほうが、次で上手くいっていた印象があります。
逃げるための転職か、選び直すための転職か。 面接官はここを見ています。実際、この2つは話し方に出ます。(田中)
志望理由の組み立て方はコンサルの志望動機に詳しく書きました。3階層まで作れているかが分かれ目です。
第二新卒で落ちる3パターン
受け入れ側にいたときに見た範囲で、落ちる理由はほぼこの3つに収まります。
① 経歴書が「担当業務の羅列」になっている
いちばん多いです。 そして本人は気づいていません。
「〇〇システムの運用保守を担当」「△△部門の業務改善に従事」——これでは、何を考えて何をしたのかが分かりません。
「課題 → 分析 → 打ち手 → 成果」の構造に書き直してください。 第二新卒なら成果は小さくて構いません。大事なのは、自分で考えて動いた形跡があるかです。
② 「コンサルになりたい」で止まっている
なぜコンサルか、までは全員が言えます。なぜこの会社か、なぜ他社ではないかまで降りられる人が少ない。
第二新卒はここで特に不利になります。社会人経験が浅いぶん、語れる材料が少ないからです。だからこそ、準備の差がそのまま結果に出ます。
③ 業界知識を使おうとしていない
いちばんもったいないパターンです。
「前職は関係ないので、ゼロから頑張ります」と言う人がいます。これは自分から武器を捨てています。
1年でも2年でも、その業界にいた時間は経験です。クライアント側の目線を知っている人は、コンサルでは重宝されます。
入った後に、きついと感じること
正直に書いておきます。入りやすさと、入った後に続くかは別です。
① 地味な調整業務が多い
華やかなイメージで入ると、ここで落差を感じます。関係者の間を行き来して合意を取る作業が、かなりの比重を占めます。
私がいたIT領域でも、業務側と開発側の間に立って要件を通す役割が中心でした。分析して示唆を出す時間より、その示唆を通すための時間のほうが長い。(田中)
② 顧客のために踏ん張れるかが問われる
自社の製品でも自社の事業でもないものに、自分の時間を注ぎます。ここに意味を見出せないと、どのファームでも続きません。
③ 案件で環境が変わる
アクセンチュアでは、どのチームに入り誰の下につくかで、日々の負荷も昇進のしやすさも変わりました。 自分ではコントロールしきれない部分があります。(山口)
この3つに耐えられるかは、コンサルに向いている人・向いていない人で整理しています。入る前に一度読んでおいてください。
第二新卒と、新卒・中堅の違い
同じファームを受けるにしても、見られているものが違います。ここを取り違えると、準備の方向がずれます。
新卒 | 第二新卒 | 中堅(5年目〜) | |
|---|---|---|---|
見られる中心 | ポテンシャル | 業界知識+伸びしろ | 即戦力性 |
求められる実績 | 不要 | 小さくてよい。起点が自分か | 再現性のある成果 |
入る等級 | 最下位から | 下位 | 経歴次第 |
必ず聞かれる | 学生時代の経験 | なぜ短期で辞めるのか | なぜいま動くのか |
落ちる主因 | 地頭・素養 | 経歴書の書き方 | 年収と等級の折り合い |
第二新卒がいちばん準備でひっくり返せる層です。
新卒はポテンシャル勝負なので、準備で変えられる幅が狭い。中堅は実績が固まっているので、これも動かしにくい。第二新卒は「経歴書の書き方」が落ちる主因なので、書き直すだけで結果が変わります。
私が見た中でも、同じ経歴で落ちた人と通った人がいました。 違いは経験の中身ではなく、それをどう説明したかでした。(山口)
準備の優先順位
時間が限られているなら、この順番です。
経歴書を「課題 → 分析 → 打ち手 → 成果」で書き直す
「なぜ短期で辞めるのか」への答えを作る(環境批判にしない)
志望理由を3階層まで作る(なぜコンサル → なぜこの会社 → なぜ他社ではない)
前職の業界知識を、志望動機に組み込む
ケース面接対策
5番を最初にやる人が多いのですが、配分としては誤りです。 第二新卒が落ちるのは、ケースができなかったからではありません。
なお、3番は他社の実態を知らないと書けません。 複数社を見ている人に整理してもらうのがいちばん早い部分です。相談先の選び方はコンサル転職エージェントの選び方にまとめました。
よくある質問
第二新卒でもコンサルに入れますか 入れます。中途採用は新卒より門が広く、第二新卒は年収のハードルが低いぶん通しやすい面もあります。
何年目までが第二新卒として扱われますか 一般に社会人3年目くらいまでを指します。ただしファーム側は年数より「何を経験したか」で見ています。
必ず聞かれる質問は何ですか 「なぜ短期で辞めるのか」です。環境批判にすると通りません。具体的な経験を起点に、辞める理由と入る理由を同じ方向に揃えてください。
前職の業界は関係ありますか 大いに関係あります。中途は前職と同じ業界の案件にアサインされることが多く、業界知識がそのまま武器になります。
ケース面接の対策は必要ですか ファームと年度によって実施の有無が変わります。ただし優先順位としては、経歴書と志望理由のほうが先です。
未経験でも大丈夫ですか コンサル未経験はハンデですが、業界知識があれば補えます。「ゼロから頑張ります」は武器を捨てているので避けてください。
まとめ
第二新卒は不利ではない。 中途採用は新卒より門が広く、年収ハードルが低いぶん通しやすい
有利な理由は3つ。年収ハードル/前職の型が固まっていない/業界知識が1つある
必ず聞かれるのは「なぜ短期で辞めるのか」。環境批判にすると落ちる
落ちる3パターンは経歴書が羅列/志望理由が浅い/業界知識を使っていない
経歴書は「課題 → 分析 → 打ち手 → 成果」で書き直す。成果は小さくていい
入った後は地味な調整業務が中心。ここに耐えられるかが続くかどうかを決める
準備はケース対策より、経歴書と志望理由が先
どのファームを狙うかから整理したい場合は、コンサルファーム比較をどうぞ。
山口翔太 2017年にアクセンチュアへ新卒入社。業界横断でデジタル変革を支援する部門に所属し、アナリストからマネージャーまでの4年間を過ごす。在籍中は中途入社者を受け入れる側にも。2021年に退職。
田中麻衣子 2019年にベイカレント・コンサルティングへ新卒入社。アナリストからコンサルタントまでを経験し、IT・流通領域の案件を担当。2023年に退職。
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