この記事は、ベイカレント・コンサルティングに2019年から2023年まで在籍した田中麻衣子が書いています。
最初に、立場をはっきりさせておきます。
私は新卒で入社したので、中途のオファー面談そのものは受けていません。 書けるのは、新卒で承諾までを経験したこと、在籍中に中途で入ってきた同僚から聞いた範囲、そして転職の手順として確実に言えることです。
内定が出るまでの流れは、別記事にまとめています。
この記事では、内定が出たあとに絞って書きます。
承諾期限の目安
一般的には1週間から2週間です。オファー面談の場で伝えられます。
ただし、これは固定のルールではありません。 採用の状況や、応募者の事情によって変わります。「何日まで」と言われたら、それが基準です。
重要なのは、その日付を聞いたときに、自分の他の選考がどこまで進んでいるかを即答できる状態にしておくことです。ここが曖昧だと、次の交渉ができません。
延長は交渉できるのか
できることが多いです。 ただし、伝え方で結果が変わります。
通りやすい言い方
他社の選考が◯月◯日に最終面接の予定で、その結果を見たうえで判断したいと考えています。◯日まで待っていただくことは可能でしょうか。
具体的な日付と理由をセットで伝えるのが要点です。企業側も、他社と並行しているのは織り込んでいます。
通りにくい言い方
もう少し考えたいのですが
理由がないと、判断を先送りしているだけに見えます。 そして「迷っている=志望度が低い」と受け取られかねません。
延長は「お願い」ではなく「予定の共有」として伝えたほうが、印象も結果も良くなります。
他社と並行しているときの進め方
選考のスケジュールは、最初にそろえておくのが理想です。
内定が出てから他社を受け始めると、ほぼ間に合いません。 選考は1〜2か月かかるので、承諾期限の1〜2週間では収まらない。
そろえるのが難しい場合は、第一志望の選考を後ろにずらさないのが原則です。先に本命の結果が出れば、他社の承諾期限で悩む必要がなくなります。
ここは、自分ひとりで調整するのが難しい部分です。 複数社の進捗を見ながらスケジュールを組むのは、間にエージェントが入っているほうが現実的に楽になります。
オファーレターで必ず確認する4つ
ここが、この記事でいちばん重要です。
ベイカレントに限らず、コンサルファームのオファーで確認すべき点は決まっています。
① 職位(等級)
これが最重要です。 年収は職位で決まるので、金額より先に職位を見てください。
そして、同じ職位でも幅があります。 幅の中のどこに置かれているかを確認してください。ここは数百万円変わります。
年次と職位の関係は、こちらに整理しました。
② 年収の内訳
月給・賞与・手当が、それぞれいくらか。提示された総額のうち、確定している部分と変動する部分を分けて確認してください。
③ みなし残業の有無と時間数
職位によって扱いが変わります。 含まれている場合、その時間までは働いても額面は増えません。同じ提示額でも、手取りの感覚がまったく変わります。
④ 入社日
後述しますが、退職交渉との兼ね合いで最も調整が必要な項目です。
この4つは、オファー面談の場で聞いて構いません。 聞きにくい質問ではありませんし、聞かない人のほうが入社後に不満を持ちます。
承諾してから入社までの期間
在職中の場合、1〜3か月が一般的です。
内訳はこうなります。
やること | 目安 |
|---|---|
現職への退職の申し出 | 承諾後すぐ |
引き継ぎ | 1か月前後 |
有給消化 | 残日数による |
入社日は、承諾の時点で仮置きして構いません。 退職交渉が進んでから調整するのが普通です。
ただし、「調整できる」と「いつでもいい」は違います。 先に伝えておかないと、受け入れ側の準備が進みません。退職交渉が長引きそうな場合は、早めに共有してください。
退職交渉との兼ね合い
承諾してから退職を申し出るのが原則です。逆にすると、内定が出なかったときに戻れなくなります。
引き継ぎの期間は、進行中の案件の区切り次第で変わります。区切りに合わせられると、お互いに楽です。
引き留めがあった場合
条件を上げる提案を受けることがありますが、それで残って良かったという話は、周囲であまり聞きませんでした。 辞めたい理由が待遇だけだったのか、そうでなかったのかを、もう一度確認したほうがいいと思います。
辞退するときの作法
辞退するなら、早いほうがいいです。
期限ぎりぎりまで引っ張ってから辞退するより、決まった時点で伝えるほうが、相手の採用計画にとっても、自分の心理的な負担にとっても楽です。
理由は、正直に伝えて構いません。 他社に決めた、条件が合わなかった、家庭の事情——どれも普通のことです。
やめたほうがいいのは、連絡せずに放置することです。業界は狭く、数年後に同じ人と別の場面で会うことがあります。
よくある質問
Q. 承諾期限は何日ですか
1〜2週間が一般的ですが、固定ではありません。オファー面談で伝えられる日付が基準です。
Q. 延長は何日くらい認められますか
ケースによります。具体的な日付と理由を伝えれば、1〜2週間程度は相談に乗ってもらえることが多いです。ただし無期限ではありません。
Q. 承諾後に辞退できますか
法的には可能ですが、相手の採用計画に影響します。 承諾は「決めた」という意味なので、決めきれないうちは承諾しないほうがいいです。迷っているなら、延長を相談してください。
Q. 条件交渉はいつすればいいですか
オファー面談の場です。 承諾したあとに交渉するのは難しくなります。そして交渉すべきは金額ではなく職位です。
Q. 入社日は後ろ倒しにできますか
多くの場合できます。ただし早めに伝えてください。 受け入れ側は配属や案件の準備を進めています。
まとめ
内定が出てからの進め方を整理します。
承諾期限は1〜2週間が目安。 ただし伝えられた日付が基準
延長は交渉できる。 具体的な日付と理由をセットで伝える
選考スケジュールは最初にそろえる。 内定後に他社を受け始めると間に合わない
オファーレターで確認するのは4つ。 職位・年収の内訳・みなし残業・入社日
承諾してから退職を申し出る。 順番を逆にしない
いちばん多い失敗は、職位を確認せずに金額だけ見て承諾することです。年収は職位で決まるので、後から変えられません。
オファー面談は、選考の最後ではなく、条件を決める最初の場だと思って臨んでください。
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